現在、日本にあるお城の中で国宝に指定されているのは

全国でたったの5城です。

 

といっても、国宝に指定されているのはお城という大枠ではなく、

お城の中にある個別の建造物になっていますので、

まずはその辺りから整理したいと思います。

 

国宝5城と呼ばれているお城は

 

「松本城」

「犬山城」

「彦根城」

「姫路城」

「松江城」

 

の5城ですが、このお城の全てが現存する

(当時から残っている)天守を持っており、

松本城、犬山城、松江城の3城はその「天守」のみ国宝です。

 

彦根城は「天守、附櫓及び多聞櫓

 

姫路城は「大天守」「乾小天守」「西小天守」「東小天守」

の4天守と「4つの渡り櫓」の5建造物が

国宝に指定されています。

 

それぞれ城が国宝という訳ではなく、

個別の建物が国宝ということになります。

 

そう考えると、姫路城は国宝に指定されている建物を

5つも抱えているお城ということで、

保存状態の良さが伺えると思います。

 

ということで、その国宝5城と呼ばれるお城を

それぞれ紹介していきたいと思います。
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国宝5城と呼ばれるお城

 

・松本城 天守

 

 

所在地・長野県松本市丸の内4番1号

築城者・石川数正、石川康長

 

正確には大天守、乾小天守、渡櫓、辰巳附櫓、

月見櫓の5棟からなる天守群といわれている

ものが国宝に指定されています。

・大天守 ・渡櫓

年代・江戸時代前期(元和初頃)

西暦・1615年頃

 

・乾小天守

年代・桃山時代(文禄元年)

西暦・1592年

 

・辰巳附櫓 ・月見櫓

年代・江戸時代前期(寛永)

西暦・1624-1643年

 

アルプスの山間にあり、標高592mに建つ

最も高い場所にあるお城です。

 

本瓦葺との屋根と黒い下見板を使用しているその姿は

別名「烏城」と呼ばれており、雪が降る中で見ると、

白と黒のコントラストが際立ち、別格の風景となります。

 

 

・犬山城 天守

 

 

所在地・愛知県犬山市大字犬山

築城者・織田広近・織田信康

年代・桃山時代(慶長6年)

西暦・1601年

 

当時、交通の要所でもあった木曽川の河畔に建ち、

今はその流れを見渡せる絶景を、天守から見渡せます。

 

その天守の美しさから別名「白帝城」とも呼ばれています。

 

犬山城天守は、二重櫓の上に望楼を載せた

天守になっているので、訪れた際は最上階の廻縁を

ぐるっと一周するのがおすすめです。

 

 

・彦根城 天守 ・附櫓及び多聞櫓

 

 

所在地・滋賀県彦根市金亀町

築城者・井伊直継

年代・桃山時代(慶長11年)

西暦・1606年

 

彦根城も、松本城と同じように天守と櫓が国宝に指定されています。

 

有名な井伊直弼の井伊氏の居城だったこともあり、

廃城されることなく現代まで残ることになったと言われています。

 

将軍のサポートを受けて築かれたこの彦根城天守は、

3種の破風様式が取り入れられるなど、

天守としての見た目を大切にして建てられたので、

その外観は非常に壮麗なものになっています。

 

(破風=屋根の三角形になっている場所の造形)
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・姫路城 ・4棟の渡櫓・3棟の小天守・大天守

 

 

姫路城は、渡り櫓、小天守3棟、大天守の、計5つの建造物が

個別に国宝指定されていますが、同時期に建てられているので、

ここではまとめて紹介することにします。

 

所在地・兵庫県姫路市本町

築城者・赤松貞範

 

年代

・大天守 桃山時代(慶長13年)

・3小天守、4渡櫓 桃山時代(慶長14年)

 

西暦

・大天守1608年

・3小天守、4渡櫓1609年

 

築城者が赤松貞範となっていますが、姫路城は、

その城をもとに1600年以降に城主となった池田輝政により

増築など本格的な整備がされたといわれています。

 

現存天守として国内最大の天守を持ち、その城郭規模も

国内有数の大きさです。

 

白漆喰総塗籠造りの純白ともいえるその城壁で、

別名・白鷺城とも呼ばれているのは有名ですよね。

 

国宝かつ、日本の世界文化遺産第一号でもあり、

日本文化を象徴するお城だといえます。

 

 

・松江城 天守

 

 

所在地・島根県松江市殿町一番地続六

築城者・堀尾忠氏

年代・桃山時代(慶長16年)

西暦・1611年

 

2015年(平成27年)7月8日に国宝に指定されたのがこの松江城です。

現在の基準になる前には国宝と指定されていたのですが、

新基準になる際に、築城年の裏付けがあいまいだとして、

国宝から外されていました。

 

しかし、地元の方々の精力的な活動が功を奏し、

「慶長十六」と書かれた祈祷札を発見、松江城のものだと証明し、

65年ぶりの指定を受けました。

 

城内部には、籠城用の地階と24mもの深さがある井戸があるなど、

防御施設としてや、戦国の面影を偲ばせるものがあり、

見どころの一つとなっています。

 

2015年までは「国宝4城」と呼ばれていましたが、

今は松江城を含んで「国宝5城」と言います。

 

 

 

まとめ

ざっとですが、国宝5城を紹介しました。

 

貴重な現存12天守の中でも価値が高いとされるお城が、

国宝に指定されていますので、文字通り

「国の宝」ひいては「我々の宝」だと思います。

 

この5城、ぜひ一度は訪問してみてはいかがでしょうか。


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