石垣とは、お城を支える土台となっているもの。

 

というイメージがあると思いますが、

では、日本一高い石垣は?

何城の石垣なのかご存知でしょうか。

 

今回はそんな日本一高い石垣を持っているお城を紹介したいと思います。

現在日本に残されている城郭には、石垣だけが残っている

という城跡は少なくありませんので、

これを読むことで、城跡を訪ねる際の楽しみが

一つでも増えたらと思います。
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日本一の石垣

 

 

日本一高い石垣を持つ城ということでご紹介しますが、

調べてみると、石垣の高さには2種類あるようです。

 

石垣単体、そのものの高さと、城郭にある複数の石垣の総高。

というものになります。

 

なので、単体で高い石垣、総高で高い石垣の、

2種類の日本一をあげてみたいと思います。

 

・丸亀城(香川県)

 

所在地・香川県丸亀市一番丁

アクセス・JR予讃線「丸亀駅」から徒歩約20分

 

 

現存12天守の一つとしても有名な丸亀城ですが、

日本一の総高を持つ石垣でも知られています。

平野の中にある山に築城された平山城で、

その山に沿って石垣付きの曲輪が積み重ねられています。

 

山麓から山頂まで4重に重ねられた石垣の総高は、

なんと60メートルにもなっています。

 

その外観はまさに要塞そのものといった雰囲気で、

山の全てがお城になっているかのようです。

 

この丸亀城の石垣には逸話が残されています。

 

60メートルの高さまで山を包むように築かれているこの石垣は、

その規模も相当なものになっていますが、丸亀城築城の際に、

石垣の工事が難航したため「人柱」を立てることになったそうです。

 

そして、ある雨が降る夕暮れに、現場付近を通りかかった豆腐屋を、

無理矢理に人柱として埋めてしまいます。

 

それ以来、雨が降る夜には石垣から

「豆腐~、豆腐~」という声が聞こえると言われてきたそうです。

 

怖い怪談ですよね。

 

逸話はもう一つあります。

 

この石垣は石工名人と呼ばれた羽坂重三郎によるもので、

城主に「見事である。この石垣を登れるものはあるまい」と感嘆されたのですが、

重三郎は「私ならば尺の鉄棒があれば登れます」と言って

短い鉄の棒一本で登ってしまったそうです。

 

これを見た城主は重三郎が敵に寝返ることを恐れ、

嘘をついて井戸に埋めてしまった、と言われています。

 

二つとも、悲劇的な話ですが、この立派な石垣が出来るには、

そんな話が生まれるくらいの、労力と苦労があったということだと思います。

 

他にも、このお城には「一国一城令」の破却を逃れる為に

お城に盛り土をかぶせ、樹木などで覆い隠し、

破却されずに残ったという話もあります。

 

様々なストーリーを内包している丸亀城とその石垣、

ぜひ、現地で味わってみたいと思います。
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石垣単体での高さが日本一のお城

 

 

・大阪城(大阪府)

 

 

所在地・大阪府大阪市中央区大阪城1-1

アクセス・JR大阪城公園駅すぐ

 

天守そのものの大きさ、その姿の美しさで

有名な大阪城ですが、天守の大きさに比例するかのように、

石垣も高く大きい石垣(高石垣)になっています。

 

根石からの高さは32メートルと言われており、

その姿は巨大な壁のようです。

 

現在見ることができるのは、

豊臣氏が造った大阪城石垣ではなく、

徳川氏が旧大阪城の遺構を埋めて造り直したものです。

 

普請を任されたのは、築城の名手・藤堂高虎で、

「石垣を旧城の2倍、堀の深さも2倍」

にするように将軍に強調されたこともあり、

とても高い石垣になっています。

 

これは、大阪城は豊臣政権の象徴でもあったので、

徳川の威光や、時代が変わったことを示すためにも、

元の大阪城よりも巨大にする必要があったのだと思います。

 

時の権力者が築いた城なので、その大きさには納得ですが、

時が流れた現在、徳川によって埋められてしまった、

豊臣時代の石垣を発掘して公開しようという計画があります。

 

http://www.toyotomi-ishigaki.com/

 

こちらでは募金活動なども行われおり、

隠すことはできても、消し去ることまではできなかったと

考えると、大阪城とその石垣に時の流れや、盛者必衰の理が見てとれるような気もします。

 

 

まとめ

風林火山で有名な、戦国を代表する大名の一人武田信玄が、

こんな言葉を残しています。

 

「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」

信頼できる人の集団は強固な城に匹敵する。

むしろ、強くまとまった人の力は城よりも強い。

といった信玄の信念を表した言葉ですが、

城(建物)、石垣、堀を並べて例えています。

 

裏を返せば、この3つは城にとってどれも同じくらい

重要な物であったということになると思います。

色々な仕掛けがある建物も重要ですが、

石垣もまた同じだったということだと思います。

 

ということからも、

石垣は立派に見せる為のただの土台ではなく、

防御施設としても重い役割があったので、

石垣にとっては、高さというのは重要な要素の一つになります。

 

高さ以外にもそんな視点から見てみても

楽しいのではないでしょうか。

2城紹介しましたが、やはり生で見てみたいですよね。




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