城郭(じょうかく)という日本語の意味を調べると、

 

・お城そのものを指す言葉、

・またはお城と曲輪(くるわ)の総称。

 

そう出てくることが多く、お城と城郭は、

実はほぼ同じ意味で使われます。

もともと、城郭という言葉は城と郭(くるわ)を合わせた言葉で、

城は内城、郭は外城を指していたので、城郭と言った場合は

城の建物が必ず含まれます。

 

現在、一般的に「お城」としてイメージされるものは

かの豊臣秀吉の大阪築城から江戸時代の一国一城令までの間に

新造されたもの。

 

あるいは戦国時代の城の上に築きなおされた

「近世城郭」と呼ばれるものだと思いますので、

そういうお城を前提として城郭の役割や種類をご紹介します。
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・基礎知識

 

 

城は中心にある本丸とその周辺に配置された

二の丸、三の丸などの「曲輪」(くるわ)から成り立っており、

曲輪とは二の丸、三の丸など区切られた区域のことを指します。

 

そして、その曲輪をどう配置しているかの設計図のことを

「縄張り」と呼びます。

 

なので、城郭の種類というと、曲輪がどう配置されているかの

「縄張りの種類」ということになります。

 

 

・曲輪(郭)の役割

 

 

城は防衛拠点として築かれていますので、

主要な曲輪(本丸)に到達するまでに、複数の曲輪を設けることで、

敵の数を削っていく構造になっています。

 

なので、曲輪の役割とは平時においては居住区域だったりもしますが、

戦時の主とした役割は防御壁、防御空間として侵入を妨げる

ということになります。
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・城郭の種類

 

 

先ほど、曲輪の集合体である城郭、その種類ということは

縄張りの種類となると申しましたので、ここでは縄張りの種類を紹介します。

 

縄張りの種類は細かいものを含めると様々ありますが、主要な種類として大きく分けて輪郭式・連郭式・梯郭式・並郭式の4つになります。

 

 

・輪郭式

 

 

本丸を二の丸が囲み、二の丸を三の丸が囲んでいく縄張り。

イメージとしては〇をさらに大きな〇で囲んでいく感じになります。

 

この縄張りは四方に対して守りが厚くなりますが、構成上どうしても

巨大な規模になりコストがかかります。

 

平地にある城に見られる縄張りです。

 

この縄張りの主な城として大阪城、山形城、松本城などがあります。

 

 

・連郭式

 

 

本丸を中心に前後、または直線上に二の丸、三の丸などの曲輪を

配置する縄張りです。

 

イメージとしては〇を三つ一直線に並べる感じになります。

 

この縄張りは山の尾根など横が斜面の場合や、川に挟まれているなど

曲輪が配置できない場合に用いられることが多いです。

 

奥行きは出るものの曲輪を配置していない脇が手薄になります。

 

主な城として松山城(備中国・伊予国)、盛岡城などがあります。

 

 

・梯郭式

 

 

本丸を城郭の隅に配置し、二方向ないし三方向に扇状に曲輪を配置し

囲んでいく縄張り。

 

この縄張りは城の背後に崖、大きな川、湖などがある場合に用いられます。

イメージとしてはノートの隅に半円を書き、それをさらに半円で囲んでいく

作りになります。

 

山や川が多い日本では比較的よくみられる縄張りで、

 

主な城としては岡山城、広島城、熊本城などがあります。

 

 

・並郭式

 

 

本丸と二の丸が平行に配置され、その周囲を三の丸で取り囲む

縄張りになります。

 

イメージとしては〇を二つ並べて、その周りを大きな〇で囲む

といった感じです。

 

独立した曲輪を繋いでいるので、侵入した敵は一つ一つの曲輪を

制圧する必要があったり、橋などの繋いでいる部分を落とされると

進めなくなったりと、防御に優れた縄張りです。

 

湖面や池、海などに浮かぶ小島を利用して作られる場合もあります。

 

主な城として島原城、大垣城、大分城などがあります。

 

 

・その他の城郭

 

 

上記で紹介したもの以外にも階段状に配置する階郭式、

なるとの模様のように渦上に配置する渦郭式、

本丸の周囲にいくつもの曲輪を配置する群郭式、

 

函館五稜郭に代表される砲撃を前提として鋭角に貼りだした

稜堡をもつ稜堡式などがあり、築城される時代、

地域、背景、地形、気候などによって様々な縄張りの種類が生みだされ、

発展しました。

 

 

まとめ

 

 

日本のお城は時代によって、軍事拠点から政治的拠点へと

役割を変えながら発展したので、その時々によって必要とされる曲輪や、

縄張りも変化しました。

 

実際のお城は上記の縄張りに完全に分類されない場合が多く、

これらを複数用いたり、変形・発展させたりして築城されています。

 

なので、完全にこの形式と言い切れるものでもなく、

研究者や学者によっては認識が異なることがあったり、

独自の名称を作ったりしていることもあります。

 

体系的にこれが決定版!というような城郭学と呼ぶべきものは

数百年経った現在でも、まとめられている最中です。

 

このことからも日本のお城、城郭はいかに多種多様な

姿をしているということか想像できると思います。

 

もし、城跡や史跡、現存しているお城などに触れる機会があった時は、

どんな縄張りを持った城郭なのか?

ということを気にして見てみるのも、一興かもしれませんね。

 

きっと見慣れたお城でも、新鮮な目で見れると思いますよ。


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